小さなリュウグウノツカイ
リュウグウノツカイ若い個体 体長20センチくらい
静岡県沼津市大瀬崎 湾内 2019年12月13日
今日のガイドが終わってゲスト様もお帰りになり一息ついていると、ドアが開いて誰かがお店に入ってきた。湾内に海況調査に潜ってた若き店長の翔太さんが帰ってきたのだ。長かったやんとか思いながらお疲れ様でーすというと、翔太さんは黒い(ドライ)スーツでニヒルに「ユキフリがいたっす」とつぶやいた。えっユキフリ?
「それはまことか!」
などと、年齢の差があるとはいえまさか先輩に向かってそのようなものいいはできず、心の中でそう叫んだ。
店番も交代してもらえるまですぐには出られず、でもその間に落ち着け自分とはやる気持ちを落ち着かせ、カメラとかタンクとか慌てて用意して店もなるべく片づけて、ようやくエントリー。おとなりのお店のA店長さまも撮影していらっしゃるとのことで心強い。最終エキジット時間も迫ってるし、はやく合流しなきゃ。泳ぎながら、自分の中圧ホースが2本ぶらんぶらーんと揺れていて、なんじゃこりゃBCもドライスーツもつないでないではないか、どんだけあわてとんじゃ。カメラもストロボのクランプが昨日まで大丈夫だったのになんか急に中途半端なところで動かなくなって固定できず、ストロボが落ちはしないけどグラグラしてホネホネロックみたいになっとる。なんじゃこりゃ、でもそんなことは今はどうでもいい、とりあえず行くのだ。
さすが翔太さんが教えてくれた通りの場所でA様のシルエットが見えてきた。最短でついた、よしっ。A様はすぐにこちらに気づき、ここだよとライトフリフリしてくださった。そしてハンドシグナルで、指を下向きにぐるぐる(「この辺で」)、指を上向きにすぼめてそのあとパーに(「消えちゃった」)と教えてくれた。えっユキフリ?
「それはまことか!」
などと、年齢差があまりないとはいえまさか大瀬崎の大先輩、偉大なレジェンドのひとりにむかって陸でそのようなことはものいいはできず、でも水中だったのでそうつぶやいたかも。
冗談はさておき、見失った時は慌ててはいけない、すぐそばに必ずいるのだから落ち着いて探せば見つかるはず、とユキフリ捜索開始、すぐにA様がベルを鳴らしてくれたのでいってみると、A様はしなやかな妖刀のようなリュウグウノツカイをにこやかに指さしていらっしゃいました。いやー、美しい子でした。ありがとうございました!
最終エキジットぎりぎりだったこともあり、ユキフリは私は空振りましたが、他の方は再発見されていて、リュウグウノツカイももう一個体いたし、盛りだくさんでした。
翔太さん、A様、ご一緒させていただいた皆様ありがとうございました!
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